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小澤 正明*; 天谷 政樹
日本原子力学会和文論文誌, 19(4), p.185 - 200, 2020/12
発電用軽水炉(LWR)では、冷却材喪失事故時に炉心の冷却可能形状を維持するとともに放射性核分裂生成物の公衆及び環境への放出を最低限にするために設計された非常用炉心冷却系(ECCS)が設けられている。LWR用ECCSに関する規制基準は、設計上の安全機能及び性能の評価並びに安全評価結果の安全裕度を確保するために定められている。日本における現在の基準は1981年に定められ、これは旧基準に対し当時の知見を加えたものである。この基準制定以降、燃料被覆管の材質、設計等を変えることで燃料燃焼度が進展し、これに伴い高燃焼度燃料のLOCA時の安全性を評価する研究を通して更に知見が蓄積されてきた。本論文では、日本の現行のECCS基準の高燃焼度燃料への適用性に関する最近の研究成果と今後の課題をまとめた。現在までに得られている研究成果によれば、燃焼度進展がLOCA時の被覆管酸化や急冷時破断限界に及ぼす影響は小さく、現行基準が高燃焼度燃料にも適用可能であることが分かった。
中野 寛子; 広田 憲亮; 柴田 裕司; 武内 伴照; 土谷 邦彦
Mechanical Engineering Journal (Internet), 5(2), p.17-00594_1 - 17-00594_12, 2018/04
現在の軽水炉の計装システムは、原子炉運転と原子炉停止中の全ての状況を監視するために不可欠であるが、福島第一原子力発電所の重大事故のような状況では充分に機能しなかった。そのため、過酷事故時でも炉内の計測データを伝送可能な高温型MIケーブルを開発している。特に、過酷事故時の原子炉内は、窒素,酸素,水素,水蒸気のほかに核分裂生成物等が含まれた混合ガス雰囲気中に暴露されることから、シース材の早期破損が懸念される。本研究では、MIケーブル用シース材として選定したSUS316及びNCF600について、過酷事故を模擬した雰囲気(模擬大気,模擬大気/HO, I/CO/O/HO)中における高温酸化特性を調べた。その結果、模擬大気中または模擬大気/HO環境下におけるSUS316及びNCF600の両試料表面に均一な酸化皮膜が形成されるとともに、酸化速度を評価し、破断時間の予想が可能となった。一方、Iが含まれている雰囲気では、試料表面の均一な酸化皮膜の形成だけでなく、局部腐食を引き起こす複雑な腐食挙動を示すことが分かった。
根本 義之; 加治 芳行; 小川 千尋*; 中島 一雄*; 東條 匡志*
Proceedings of 2017 Water Reactor Fuel Performance Meeting (WRFPM 2017) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2017/09
使用済み燃料プールの冷却水損失事故に対応するためには、事故時に想定される空気中または空気と水蒸気の混合した雰囲気中でのジルコニウム被覆管の高温酸化挙動の把握が重要である。本研究では空気と水蒸気の混合した雰囲気中でのジルカロイ2及び4の酸化試験を行い、混合比の影響について600Cから1100Cの温度域での評価を行った。その結果、ジルカロイ2は900Cから1000C、ジルカロイ4は800Cから1000Cの範囲で、空気と水蒸気の混合雰囲気中での酸化速度が乾燥空気中や水蒸気中よりも速くなった。この傾向は酸化層に割れが入った、酸化過程の後半において、より顕著に見られた。この結果は、使用済み燃料プール事故解析を目的とした酸化モデルの構築においては、空気と水蒸気の混合雰囲気中での酸化挙動の考慮が重要であることを示していると考えられる。
上羽 智之
JNC TN9420 2000-005, 28 Pages, 2000/03
実用化戦略調査研究の第一フェーズの計画では、基本的な目標を高速炉、再処理施設及び燃料製造施設からなるFBRサイクルシステムの複数の実用化概念の摘出と技術開発計画等の実用化シナリオの提示としている。この研究開発はシステム技術開発(FBR、再処理及び燃料製造)、実用化要素技術開発、システム技術統合・評価の3つの階層で進めることとしており、FBRのシステム技術開発では、ナトリウム、重金属、ガス(炭酸ガス、ヘリウムガス)、水等の冷却材、中小型モジュール炉、並びにMOX、金属及び窒化物の燃料からなる技術選択肢に係るプラント概念を検討することとしている。本報告書はこの検討の一環として、ヘリウムガス冷却炉心の適応材料とそのHe環境下での健全性(腐食特性および機械強度、照射特性)に関する調査を行ったものである。
二川 正敏; Steinbrech, R. W.*
Journal of the American Ceramic Society, 81(7), p.1819 - 1842, 1998/07
シリコン系セラミックスの高温耐食性は、酸化雰囲気中で形成されるシリカ皮膜の保護機能に支配される。高温耐食容器構造材料として着目されているSiSiCセラミックス上に形成された結晶質と非晶質の二層より成る二重構造シリカ皮膜の粘性特性を調べた。まず、シリカ膜を表面に形成した試験片を高温中で圧縮荷重をある一定時間負荷することにより、皮膜を介して接合した。この接合した試験片を用い、接合皮膜層にせん断荷重を負荷,保持し、その後のリラクセーション挙動よりシリカ皮膜の粘性特性を評価する方法を考案した。新たに考案した測定法により、920C1020C範囲でシリカ皮膜の粘性について調べた結果、不純物を含まないシリカガラスとアルミノシリカガラスとの中間的な値を示した。この値はシリカ皮膜中に含まれる不純物(Al,K)を考慮すれば、よく理解できることがわかった。
佐々木 祐二; 青柳 寿夫; 武石 秀世; 吉田 善行
Physica C, 191, p.347 - 353, 1992/00
被引用回数:7 パーセンタイル:55.21フロークーロメトリーによるLaSrCuO(0≦x≦0.6)高温酸化物超伝導体の高酸化状態Cu又はO、即ち[CuO]、の分析法を開発した。0.25MFeを含む1MHClO溶液を流しながら超伝導試料ペレットを溶解し、Fe+[CuO]FeCu+Oの反応で生じるFeと溶液中のCuを同時に連続測定する。これらイオンの検出にはグラッシーカーボン繊維作用電極とするカラム電極を2段連結して用いた。本法によりバルクの[CuO]/Cu比の測定、言い換えれば酸素含量、を精度良く正確に測定できた。さらに溶解中、一定時刻におけるFe,Cuの還元電流の比から、試料中の[CuO]の分布に関する情報も得る事ができた。
佐々木 祐二; 青柳 寿夫; 武石 秀世; 吉田 善行
Analytical Sciences, 7(Suppl.), p.1201 - 1204, 1991/00
高温酸化物超伝導体(LaSrSCuO)(0x0.6)中の高酸化状態の銅(Cu)又は酸素(0)、すなわち[CuO]、の定量、及びペレット試料中の[CuO]の分布に関する新らしい化学分析法を開発した。ペレット試料を0.25MFe+1M HClO溶液を流しながら溶解し、Fe+[CuO]Fe+Cu+Oの反応で生ずるFe、及びCuを連続測定し、試料中の[CuO]/Cu比の変動を観察した。試料表面の[CuO]/Cu比は試料全体のそれより相対的に低い値を示した。アニーリング条件, クーリング条件、及び保存条件の異なった試料を調製し、各条件と表面状態との相関を明らかにした。
木内 清; 近藤 達男
防食技術, 31(3), p.125 - 132, 1982/00
HTR一次冷却系構造材料は、極微量の酸化性および浸炭性不純物を含む高温ヘリウムにさらされる。反応不純物が希薄なため、熱交換器のように複雑な構造を持つ部分やクリープおよび疲労で生じた割れ先端などのすきま部分では、自由表面と異なった表面反応が予想される。本研究では、これの基礎的な検計のために、HTR近似ヘリウム中での人工すきま部分の高温腐食挙動を調べた。試験法として、Mo製人工すきま試験用治具を開発し、またすきま内酸化侵入プロフィルをEPMAを用いて得る方法を確立した。結果として、すきま内では、酸化皮膜の形成のためにすきま入口から酸化ポテンシャルの高い順に、CO,HOが消費される。さらに奥では、CH+COのガスにより浸炭が促進される。COとHOがなくなる深さは、腐食時間の1/4乗にまたすきま開口距離の1/2乗に比例する。これは、すきま内酸化反応の律速段階として、すきま内部での反応ガスの拡散を仮定した理論式とよく一致した。
新藤 雅美; 近藤 達男
鉄と鋼, 10, p.150 - 159, 1982/00
1000Cの高温ガス炉の冷却材近似のヘリウム中でハステロイX合金の耐酸化性におよぼすMu、Si含有量の影響を調べた。低酸化ポテンシャルで特色づけられるこのような雰囲気中では両元素は酸化速度と被膜の密着性に重要な影響をおよぼすことがわかたった。以下に得られた結果を述べる。1)Mnに関してはMn含有量が1.32%までのところMu含有量が多いほど耐酸化性が良くなる。Mu含有量の増加にともなってCrOの外側に形成されるMnCrOのスピネル酸化層の占める割合が増し、合体としては被膜の厚さは薄くなる。2)Siの添加の場合もMuの効果と同様に、1.02%までSi含有量の増加にともなって耐酸化性が良くなる。しかし被膜の密着性は0.3%程度がもっとも良く、それより多くても少なくても被膜のはく離感受性が増す。
新藤 雅美; 近藤 達男
JAERI-M 8770, 18 Pages, 1980/03
1000Cの高温ガス炉(VHTR)冷却材を近似したヘリウム中でMn含有皇の異なる種々のハステロイ-Xの酸化挙動を調べた。この種のヘリウム中の酸化は、合金構成元素とヘリウム中不純物の平衡関係からみて合金中の活性不純物元素の選択酸化によって特色づけられる。特にMnはヘリウムのような低酸化性雰囲気でもCrとスピネル酸化物を形成する限られた元素である。 本研究は、ハステロイ-Xの耐酸化性に及ぼすMnの効果を明らかにすることを目的とした。その結果、1.3%までMnの添加はハステロイ-Xの耐酸化性を改良することがわかった。Mn添加によって被膜の保護性が改良されるのはCO層の外側に形成されるMCOのスピネル酸化層に起因している。M含有量の増加にともなって形成されるMCOスピネル酸化物の最も多くなり、MCO/MCOの比が増加するにともなってハステロイ-Xの耐酸化性も増すことが明らかになった。
木内 清; 近藤 達男
耐熱金属材料第123委員会研究報告, 20(1), p.49 - 58, 1979/00
HTR近似ヘリウム中の高温クリープは、他の環境特に酸化が主体である大気、真空とは異なった挙動を示す。このクリープ変形傾向について、Williamsのモデルを用いて解析を行った。この結果、大気、真空のデータは、ほぼ同一直線上に並び、このモデルがそのまま適用出来ることが分かった。一方ヘリウム中は、定常クリープの2段目の遷移点までの過程と、以後の過程に分けて上記モデルを適用すれば、同様な直線関係が成立する。すなわち大気、真空では、全クリープ変形を1段の律速過程で説明でき、環境は同時作用的に影響する。一方ヘリウムでは、2段の律速段階で説明出来る。また、このようなヘリウム環境の効果は、材料の耐食性とも密接に関係する。通常の市販材ハステロイ-Xとヘリウム中耐食性改良材XRとを比較した結果、XRでは、特に保護皮膜が安定な領域である定常クリープの特性はXに比し、かなり改良されることが分かった。これは、内部酸化の抑制と保護皮膜の安定性と関係している。
磯部 晋*; 近藤 達男
耐熱金属材料第123委員会研究報告, 20(1), p.93 - 102, 1979/00
純度の高い0~35at%Cr-Ni二元合金について、1000CのVHTR近似He中で、1000hrまでの腐食試験を行い、耐食柱におよぼすCrの効果を検討して次のような知見を得た。(1)合金の重量増加はCr含有量が高いものほど大きく、重量変化の放射線速度定数は、Cr含有量が高くなるにつれて、指数関数的に増大する。(2)腐食生成物の主体はCrOであるが、合金のCr含有量が高くなるにつれて、その形態は平板状から片状、さらには針状に変り、内部保護性が小さくなる。(3)高Cr合金ほど酸化速度が大きくなるのは、合金のCr含有量が高くなるにしたがって、CrO中のCrの拡散速度が増大し、Crの蒸発も起こるためであると考えられる。以上のべたように、強酸化性雰囲気中では耐熱合金に耐食性を付与するCrも、単独ではVHTR-He中における酸化の進行を抑制する作用を示さない。
新藤 雅美; 鈴木 富男; 近藤 達男
耐熱金属材料第123委員会研究報告, 19(3), p.331 - 338, 1978/00
高温ガス炉の冷却材のヘリウムを近似した低酸化性雰囲気中でハステロイ-Xの耐酸化性とMu含有量の関係を調べた結果、1.32%までのところMu含有量が多いほど耐酸化性が良くなることがわかった。Mu含有量の増加にともなって被膜の外層に形成されるMuCrOのスピネル酸化層の占める割合が増し、全体として膜厚は薄くてすむようになるが、そのスピネル酸化層がCrイオンの拡散の障壁として働くことを指摘した。
新藤 雅美; 近藤 達男
鉄と鋼, 62(12), p.1540 - 1549, 1976/12
1000Cのヘリウム冷却高温原子炉の炉内雰囲気を近似したヘリウム中で、ヘリウム中の耐食性支配因子を考える上で好都合な三つのNi基合金の腐食挙動を酸化の速度評価と組織観察をもとに比較した。低酸化ポテンシャル環境の特色である合金成分の選択酸化傾向のため、これらの合金の腐食挙動は局部腐食と内部酸化で特徴づけられる。Ni,Cr,Mo,Wの固溶体陰化型のハステロイ-Xがもっとも安定した耐食性を示した。Ti,Alを含むインコネル-617はそれらの元素による粒界侵食と内部酸化が大きかった。Crを含まずNi,Mo,Feで構成される。ハステロイ-Bは三つの合金中外見はもっとも酸化速度が低かったが、Si,Al,Mnなどの微量不純物による粒界侵食が著るしかった。
佐々木 泰一; 奥 達雄; 今井 久
日本原子力学会誌, 18(4), p.217 - 224, 1976/04
これは、日本原子力研究所における高温ガス炉用黒鉛に関する最近の研究成果をまとめたものである。まず、1)照射による寸法変化,2)熱伝導率と熱膨張係数,3)機械的性質,および4)高温酸化などの問題が炉心構造設計の観点から議論される。次に、日本原子力研究所におけるこれらの問題についての最近の主な実験結果と今後の研究計画について記述されている。
雀部 実; 野村 末雄
日本原子力学会誌, 10(6), p.319 - 324, 1968/00
ベリリウムは熱中性子吸収断面積が小さく、中性子散乱断面積が大きいので、原子炉の減速材や反射材として優れている上に比重が小さく、熱伝導度が比較的高く、融点が高いという利点を持っている。しかしながら、延性が乏しく加工が困難で毒性を有すること、高価なこと、などが原子炉材料として実用上の大きい障害となっている。
根本 義之
no journal, ,
使用済み燃料プールにおける水位低下及び冷却水損失事故時の安全性向上のための対策技術等の評価のためには、燃料破損につながる燃料被覆管の空気中での高温酸化挙動を把握し、その酸化モデルを解析コードに組込み、精度の高い事故解析を可能にすることが必要である。本報では関連する既存研究の概要を紹介するとともに、燃料被覆管材料のジルカロイ2及びジルカロイ4を用いて、温度及び空気の流量を変化させた条件における酸化試験を行い、それぞれの酸化挙動への影響について評価した著者らの研究成果を報告する。
仲原 魁人*; 川田 理央*; 入澤 恵理子; 上田 光敏*; 河村 憲一*
no journal, ,
Zr酸化皮膜を利用した酸素センサーの開発において、Zr酸化皮膜成長に伴う酸素吸収により、正確な酸素濃度測定ができないことが問題となる。この課題を解決するために、Zrの活量を下げ酸化皮膜成長を抑制する合金元素としてZr-Cu合金系に着目した。本研究ではZr-35Cu(ZrCuとZrCuの2相共存合金)における高温酸化挙動を検討した。その結果、今回検討したZr-Cu合金ではZrOの成長抑制はできないことが明らかとなった。
根本 義之; 藤村 由希; 坂本 寛*; 山下 真一郎
no journal, ,
事故耐性燃料(ATF)被覆管候補材料として開発が進められているFeCrAl-ODS鋼の酸化挙動について、熱天秤を用いて水蒸気中での高温酸化挙動を評価した。表面に生成した酸化層についてレーザーラマン分光やEDSによる組成分析を行い、温度による酸化挙動の違いの原因について検討した。その結果、酸化層が高温ではアルミナ層であるのに対し、750C以下では鉄の酸化物であることが示された。講演ではその詳細について報告する。
大東 純*; 上田 光敏*; 河村 憲一*; 入澤 恵理子; 小松 篤史; 加藤 千明
no journal, ,
ジルコニウム合金の高温酸化皮膜を固体電解質に用いた酸素センサ開発として、合金上のジルコニア酸化皮膜成長速度を抑制することを目的に、ジルコニウムにニッケルを添加した合金を検討した。本研究ではジルコニウム-ニッケル合金の高温酸化挙動を評価した。アルゴンに1%酸素を添加した混合ガス中で873Kで酸化させ、純ジルコニウムとの酸化速度の違いと生成した酸化皮膜の性状の相違との関係について、酸化皮膜の断面像とともに比較し、考察した。酸化速度は、純ジルコニウムの場合と比較し同等かもしくは僅かに大きくなる傾向を示した。また酸化皮膜が分厚くなりボイドが生成する箇所が確認され、亀裂も発生していた。本結果からは、合金中のジルコニウムの活量を下げ酸化速度を低下させるような傾向は確認できなかった。